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テクニカルリハーサル

2009

from Diary

今日は劇場のテクニカル・リハーサルで「通し」をやりました。その時、昨日までのWSに参加していた女の子が通訳兼私の影武者役で来てくれました。少し発育不全の少女みたいな子で23歳。彼女は、照明のポジションとキッカケのために私のquick silverを舞台で踊ってくれました。それがすばらしかったのです。

私は照明のArunと監督のVarelyといっしょに客席から振付をするみたいに指示しながら見ていました。quick silverでこんなことははじめてのことでしたが、彼女には、なにか格別の、力の無垢を感じました。

彼女には上手にこなす力はまったくないのです。だから私の指示するポジションや動作に「身を投げ出す」ようにやってくれただけなのですが、その彼女の真摯さとその格別のフォルムに私は打たれたのでした。

いま私が評価している私が見たものは、万人が見て感動するもの、力の無垢、無私、無能力なのです。そこには姑息な表現への薄汚い信仰など一切ない、そしてそれは明瞭な事実なのです。

けれども、なぜか世の中はそれだけでは、それを「プロフェッショナル」として、あるいは「芸術」としては認めないのです。それをシロウトの、アマチュアの芸だとして闇に葬ってしまうのです。隠されたその無私の力はどこに消えてしまうのでしょうか?

2009
室伏鴻