QUADという作品を内側から引き受けること。試みることができるとすればそういう態度だろう。外部から眺めて分析するのではなく、作品の中に入り込んで、ここに描かれた身振りをあくまで自分の身体によって捉えたい。もちろん、それを文字通り体験できるのは演じ手だけだ。しかし演じ手と観客の立場の違いを超えて、上演の場にいる全員がこの一連の「歩み」を体験するような作品はできないだろうか? 我々の生きるこの世界がQUAD的であるとするなら、我々はすでに全員が当事者であるから、QUADを内側から体験する資格が十分にあると言えるだろう。2022年の夏、東京は酷暑となるだろうが、ここに生きざるを得ない人間たちと「歩み」を共有したい。(カゲヤマ気象台)
[原作]
サミュエル・ベケット
[演出]
カゲヤマ気象台
[出演]
キヨスヨネスク
立蔵葉子青年団、梨茄子
畠山峻円盤に乗る派、People太
日和下駄円盤に乗る派
音楽
照明 植村真
音響 増田義基
[special thanks]
齊藤颯人
菅芳晃
髙山花子
小田巻郁也