日記

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年度

1997

内容

1997年6月12日から1998年4月4日までの日記。「今日がベネズエラの”Working Process”の初日。(中略)Ditaが空調を切ってくれる。Krischaが悪条件で仕込みをする。奈落のWarm up。出番前も人の出入りが激しく悪条件だ。本番は からだが重く、よく踊れなかったが、客席はブラボーだった。”working process”の良さとは何か?考えてしまう。場面が小刻みに転換してゆくスピード、曲の変化、ライトの変化ではないだろうか。ザグレブでも悪条件ながら客席はブラボーだった。「奈落から」初めから奈落の底からのよみがえりを踊っている。ぼくはぼくのからだが大嫌いだ。(ぼくはぼくの内臓は大事にいたわる)でも、筋肉や脂肪はいらない。極限まで削ぎ落とすべき。それでも 骨と皮と血管が残る。毛髪も残る。それらも要らない という踊りを踊りたい。」(6月15日)。「press interview : 舞踏の過去と現在 何が変わり何が変わらないか 1、identityの亀裂 スプリット 分裂症 パラドクサルな二律背反 という起点は今も変わりがないこと。2、”Immigration”の現在 時代が国境にヒビを入れる。一国内で創造性が問えない時代なのだ。われわれは’現在’のリアリティ・アクチュアリティを生きるには 国の外へ出た〈外〉で語らねばならない。1と2に於いて貫かれているテーマ 問いは"コミュニティー"について その外から語ることだ。(中略)男と女の舞踏の差異は? プロセスに於いて出会う事。欲望は達成されない。変型、変身、変性への道具は発明された。カタチが穫れて しかしそのカタチの中心で達成されるものは、性の差異の上に未だにある アニマル、エンブリオ、狂気 etc.。 女の狂いと男の狂い を比較・検証すること。」(6月18日)。その後カラカスからウィーン、パリと移動しつつ 恋愛観、今後読みたい本のリストなどが記されている。