2013
シスター・モルフィン( Sister Morphine) は中毒だ。そしてたえざる自己解体を踊る。否、彼女は踊ることができない。あるいは彼女は、踊ることの不可能性=死を踊るのだ。それは彼女の死が彼女を<失う=奪う>ぎりぎりでの〈生-死〉の闘争の、果てしのないその瞬間と持続であるだろう。そうして彼女は踊ることを止めることができない。なぜならほかならぬ彼女の死が彼女の生をもたらすからだ。
それは、<われわれを限りなく失明させるような力である>。それは、<われわれの絶えざる死、けっしてわれわれのものとして所有することはできず、つねにわれわれの外にあるが、しかしつねにもうそこにある、そこに痕跡として刻まれているわれわれの死にほかならない>。
室伏鴻
(<>は、小林康夫「不可能なものへの権利」から引用。)