1973
“大駱駝艦天賦典式”中、画期をなすスペクタクルとして名高い作品。客演した土方巽にとって最後の舞台出演作となった。
原作者と仰ぐ澁澤龍彦による舞台評「カナブンブンと青空」(初出は『美術手帳』)が澁澤龍彦全集第12巻に収められている。吉岡実『土方巽頌』にも言及あり。
土方さんが『肉体の叛乱』をやった日本青年館で私たちもやりたくて、『陽物神譚』という作品を上演しました。澁澤龍彦にアルトーをベースにした小説があるんだ。ヘリオガバルスというローマの少年皇帝の話なんだけど、何故か土方さんが『駱駝でやると似合うぞ』と言った。澁澤さんに会いに行きたかった口実なんだけど。それで、皆で澁澤さんに頼みに鎌倉へ走ったんですよ。『静かな家』の直後。その駱駝の公演が、土方さんの最後のナマの舞台になった。
室伏・談
なお、鈴村靖爾監督の手により、本舞台の模様が完全映像として残されている。
(Y.O)