Photo: Francis Lepage

Info

日時
1980
活動内容
ソロ
開催地
Paris
開催国
フランス
出演
室伏鴻

Description

ぼく Ko Murobushiはスタスタ坊主である。悦ばしき漂泊である。いつでも道の途上にしてはじまりのその端縁において わたしの踊りがあるように 「運び」、その渡りのあおのさなかにおいて ようやく 哀切の<肉体〉は 介間見られる 非・在=非・点であろう。

点滅する輝きの 未知の 無垢の星のように 航行をつづけること

1985 秋 パリ


スタスタ坊主とは江戸時代の大道芸人の謂いで、裸に縄の鉢巻き、腰にしめ縄、錫杖を手にして歌い踊り、物乞いする乞食坊主で、願人坊主(がんにんぼうず)とも。室伏は、彼らに山伏と通底する遊行・漂白の精神を見ていた。

……彼ら山伏が聖俗の間を行くその“いかがわしさ”と、どこにも帰属しないその“放浪性”に関心がありました。山伏のような〈トリックスター〉のもつ両義性、多義性を“胡散臭さ、いかがわしさ”=〈異形性〉と言い換えてもいいと思いますが、一方でそれは、軽妙な移動性や流動性にも繋がります。ひとつの権威へと生を帰属させない生き方がある。股旅やヤクザ、捨聖、スタスタボー、そしてキャバレーの芸人……。自分の中にも、そうした一カ所に居つけないところがある。子どもの頃、よく親とはぐれて迷子になりますよね。不安で心細いのに、迷っている方が真実みたいな。それが、この歳になってもまだスタスタボーでフラフラしている理由ですね。

石井達朗氏によるインタビューより

(Y.O)

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