初のソロ公演。室伏の代名詞・木乃伊のおどりを後半に据えながらも、背火メンバーによる間奏曲ふうのダンスをいくつか挿入しつつ、幕開けは、後のソロ活動の萌芽ともいうべき無音、緊張感を孕んだ身体ひとつのみの、反らせた背中が痙攣し、舞台で激しく打ち鳴らされる、といった脱・木乃伊化がすでに志向されている。ドン・チェリー、ナナ・ヴァスコンセロス、ルネッサンスの楽曲いくつか、チーフタンズによる映画「バリー・リンドン」のテーマ、スティーヴィー・ワンダーのインストゥルメンタル、そしてフィナーレのアンディ・マッケイ等々、めくるめく選曲のマジックにも注目が集まった。
(Y.O)