2012
出遭ってから40年にもなる、ダンサー室伏鴻を迎えて、鎌倉で会を開くことになりました。
思いは様々に巡りますが、彼の身体、彼のダンスが私の人生に、ある「強度」を齎してくれていると思うことがあります。
あるいは、極東の吹き溜まり列島日本が生んだ「舞踏」の最終形がここにある、と思うこともあります。
私は、「舞踏」とは土方巽唯一人のものであり、土方が逝去すると同時に「舞踏」は亡失したと極論するものですが、室伏鴻のパフォーマンスをみるとき、フト、時間と彼の身体の狭間に、舞踏の祖形を見たような気にもなるのです。
今日は、秋の青く高い空が広がり、時おり風がびゅんと吹きます。
40年という月日が間違いなく、過ぎました。
中原蒼二 公演案内より