2000
当時、千日前トリイ・ホールを拠点としていたDanceBOX(現在は神戸・新長田)の招聘による関西初のソロ公演。
流すコトバ
ryu流産。わたしが流産したKo子どもたちが生きていればもうあなたとおんなじ歳まわりだ。
わたしはその死児たちの名を踊る。
1)それは雲だ。あるいは「オルガンと硫酸」
2)それは銀だ。いつでも縁で、際でふるえていた。「Edge」。
3)それは「しとね」という。女たちの短くなった足も男の曲がらなくなった歪んだ膝も・・・
みな水滴で濡れている。
そしてまるで矛盾するようだが、砂漠のように乾いている、
それらは干からびてゆく。
「音楽」を聴かせたいのはやまやまだ。
死んだ貝殻のように硬くなった彼らの耳の奥へ、浸透する、透明なしずくみたいなノイズを。
しかしすべては場所を見てからだ。そこにたたずみ・・・いっしょに探しはじめるまで、わたしはまったく何十年ぶりかで乗る新幹線の音に身をまかせているだろう。
室伏鴻 プログラムより