2001
即興の手練二人が火花を散らす。そんな期待感に満ちた、興味津々の組み合わせではあった。が、結果は、正直やや拍子抜けするところも。即興にあたり、室伏はマンネリズムを回避し、鮮度を保つため、全面的な即興は避けて、自分にとっての躓きの石、自分が自分にとってのスキャンダルになるような手がかりを必ず準備しておく、という。たとえば、その一つが待つこと。以下はパフォーマンスを目撃した者の憶測にすぎないけれど、どちらかと言うと踊り込むほどに体が火照り、逸脱してゆく山崎は、先達に対する尊敬ゆえの遠慮か、室伏に仕掛けることをせず、山崎の攻めを待っていた室伏は、待ちすぎて山崎を挑発するまでには至らず、と不発気味。それぞれを注視すれば刺激的なのに、絡まないのはなかなか辛く、つくづく即興はむずかしいと痛感させられる。
(Y.O)