「逆立ちで踊れ」と言ったのはニーチェである。或る日、林と目黒が逆立ちして揺れていた。で、私はニーチェをずらして言ったのだ、「死体は踊る」と、・・・。〈ダンスでないものは無い〉とすれば〈ダンスでないはダンスである〉筈だ。この、あるとないの間の在るか無きかのダンスで無いがダンスである。在るのは、未だなにものでもないものの運動性である。脆く果敢ない夢のような移動の奇跡である。
室伏鴻 プログラムより