1972
李礼仙、四谷シモンらを擁する唐十郎主宰の劇団・状況劇場の看板俳優だった麿赤兒が新たな表現の可能性を模索して立ち上げた大駱駝艦の旗揚げ公演。谷川俊之、天児牛大、大須賀勇、田村哲郎など演劇畑のメンバーが中心だけあって、
土方巽門下だった私とビショップ(山田)は外来だよな。麿さんは人気があって、研究生を募集するとワーッて来るんだよ。だから、いつも人がけっこういて、女の子も、男の子がすぐ見つけてきて、資金稼ぎでショーをやる。
室伏・談
大駱駝艦の立ち上げに参与していた荒戸源次郎(註:麿の状況劇場時代の後輩で、後に映画プロデューサーとして鈴木清順「ツィゴイネルワイゼン」「陽炎座」「夢二」等を手がけ、映画監督としても活躍)と知り合いだったビショップ山田が室伏を誘ったのだが、最初、室伏は気乗りしなかったそう。往時を知る人によると、当時の室伏は、舞踏の枠組には収まりきれぬ、社会の変革というゲバラ的な革命のヴィジョンを抱いていたという。
(Y.O)