収容所の愉楽
鴻英良
私は、あるとき、室伏鴻の「真夜中のニジンスキー」というプロジェクトがある空洞の中への生成の試みなのではないかと直感し、これがあらゆるときに必要とされる、いや、20世紀の人間の活動の中心的特質であったレジスタンスの新らたな模索がなされる場所になるのではないかと思いはじめた。 何に抵抗するのか。20世紀には、多くのレジスタンスの試みがあった。うずくまる身体、それは抵抗の姿勢だった。挫折。20世紀は、同時に無数の挫折を積み重ねた悲劇の時代でもあった。だが挫折は同時に革命の、敗北した革命の実践とともにあった。多くの戦争もあり、多くの人々が殺された。「革命と戦争の時代」。20世紀を多くの人々がそう呼ん